「学術活動サポート制度」は「リスペクト」と「感謝」の気持ちから
2014年に、私は病院と交渉し「学術活動サポート制度」を設立しました。
その際、このホームページに記述した内容が以下の文章です。
我々は、ついつい日々の忙しさに埋もれ、自分のしていることを他人に評価してもらうことなく、自己満足に終わってしまうことが往々にしてあります。
自分のしてきたことを国内外へ発表し、それを客観的に評価してもらうことは、自分のレベルアップに繋がりますし、自分の経験を外の世界に還元することで、より多くの人々に影響を与えることができます。
ですから、我々のような臨床に携わる人間にとって学術活動は非常に重要なものと考えています。
しかし、このような学術活動は、ルーチンの仕事が終わったあとや、休日に行うことになるにもかかわらず、その努力に対する手当がないのが現状です。
そこで、学術活動に対するモチベーションアップを目指してサポート制度を設立しました。
医師、理学療法士、看護師など職種にかかわらず当院のスタッフの全てに適応してもらいました。主な内容としては以下のようなものです。
1) 国内の学会で発表した場合:参加費、交通費、宿泊費全額病院支給
2) 海外の学会で発表した場合:参加費、宿泊費全額病院支給
3) 海外の学術論文:10万円支給
4) 国内の学術論文:5万円支給
5) 地方会の学術論文など:3万円支給
6) 一般向けの雑誌、新聞など:2万円支給
おかげで、私が赴任する以前は、「ゼロ」だった学術活動でしたが、徐々に学会発表や論文数が増えてきて嬉しく思っていました。
しかし最近、この制度がうまく機能しなかった事例がありました。ここでは、どこに責任があるかを問題にする気はありません。ただ、せっかく作り上げた制度が機能せず、努力したスタッフに還元できなかったことが悔しくてなりませんでした。
今後、このようなことが起きないように、病院側と制度について話し合いを行いましたが、スタッフ側にもお願いしたいことがあります。
それは、学術活動を積極的に行っているスタッフに対するリスペクトの気持ちを忘れないこと。
それと同時に、そのスタッフは、周囲の仲間に感謝の気持ちを忘れないということです。
なぜなら、学術活動は1人ではできないからです。
この、「リスペクト」の気持ちと「感謝」の気持ちがなければ、この制度は成り立ちません。
それどころか、組織がバラバラになりかねません。
皆さん、この機会に「リスペクト」と「感謝」の気持ちを持てているか考えて欲しいと思います。